「TRGオーナーズ新聞」は、弊社管理業務のご紹介や最新の管理業界ニュースなどを掲載している新聞です。オーナー様向け情報紙として弊社が作成しております。このページでは記事の抜粋をご紹介いたします。
「第109号」のご紹介 (2023年10月号から抜粋)
(NPV)未来に手に入る100万円を現在いくらと考える?
前回はご所有の物件の診断を簡易的に行える指標について紹介しました。今回は不動産投資をする際に、判断基準となる指標について説明させていただきます。少し貨幣価値についてふれてみます。
まず、本日100万円を貰える場合と1年後に100万円を貰える場合では、どちらを希望されるでしょうか?
大半の方が本日の100万円を選択されるかと思います。
理由は、1年後に本当に貰えるか確証がなく、1年後の100万円が現在の100万円より価値があるのか(インフレになっていないか)、本日100万円を投資し、1年後に100万円以上の価値になっていないか等、受け取る金額が同じ場合、将来の価値より現在の価値の方が高いのが一般的です。
このように考えると、投資における純収益は1年目と10年目では同じ受け取る金額でも価値に違いがある事が分かると思います。単純に100万円×10年=1000万円の計算では投資においてはリスクを背負う可能性がある為、
実際に投資をする上では、『現在価値(PV)』を計算する必要があります。
これは、毎年の純収益を割引率で割る事で数年後の現在価値に換算する方法です。複数年の投資における現在価値(PV)から投資額を引いた数値がNPV(正味現在価値)となります。投資をする上でNPVの数値がプラスになるかどうかが重要となります。
NPVは不動産以外の投資でも指標となりますので、ご参考にしていただければと思います。
開発営業部 マネジメントディレクター
中島 健次
2023年6月、「公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会(略称ちんたい協会)」の総会にて私(宮野)が会長に就任しました。
賃貸オーナー様の団体はたくさんありますが、公益社団法人で、かつ全国組織としては唯一の団体です。昭和44年に設立され54年の歴史を誇り、全国で18,687名(※1)に加入いただいています。
主な施策として全国のオーナー様の地位向上と利益の拡大のために、国の住宅政策を支援しながら、オーナー様の声を行政の施策に反映してもらえるよう活動をしています。
先日はちんたい協会の代表として秋田県庁を訪問しました。
7月に起こった豪雨災害の視察と被災者支援のための協議を行い、協会加入のオーナー様の賃貸物件を賃貸型応急住宅として提供するための打ち合わせを行いました。
賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)とは会員様の賃貸住宅を地方自治体が借り上げて罹災した方に提供する制度です。これまで協会として東日本大震災や熊本地震など、多くの物件を提供してきました。
この制度には2つの大きなメリットがあります。
一つ目は被災者用仮設住宅を、プレハブ建設より迅速かつ低コストで地方自治体へ提供が可能です。二つ目は被災者も避難所などでプレハブ建設を待つより早く入居できます。
地方自治体のほか多くの被災者にも喜ばれており、その成果として昨今の大規模災害では賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)の提供戸数がプレハブ建設型を上回るようになりました。
昨今、災害は地域に関係なく起こります。
私もさまざまな経験を通じて、将来発生するかもしれない関西地方の災害への対応力をつけていきたいと思います。
「第108号」のご紹介 (2023年7月号から抜粋)
(保存版)原状回復2.0テクニック
原状回復とリノベーションの使い分け講座
改装は大きく2種類、元に戻す原状回復、仕様向上で価値を上げるリノベーション。リノベーションは差別化を図れますが、投下費用を回収できるないケースもあります。「原状回復+α」のノウハウを惜しみなく紹介します。
退去の度に毎回考えなければならない改装について、どのようにお考えでしょうか?築年数が比較的新しい物件であれば原状回復程度で労せずとも次の入居者は決まりやすいのですが、築年数が20年を経過すると大きな手入れも必要となってきます。
退去後の改装は大きく分けて2種類あり、元の状態に戻す原状回復と、仕様などを向上させ価値を上げるリノベーションです。
賃貸物件が多数割拠する今の時代で差別化を図ることは言うまでもなく必須で、その手法としてリノベーションをすれば当然に差別化を図れますが、多額な費用を要しても掛けた費用に見合う賃料設定ができないケースもあります。
原状回復2・0テク1 デザインリフォームとパーツ交換
リノベーションほどの多額な費用を掛けずに他物件との差別化を図る手法として、デザインリフォームという選択があります。
昨年の10月号の記事でも少し触れた、壁一面だけデザインクロスを入れるのもオーソドックスなデザインリフォーム手法といえます。
お部屋の表装材や設備部材等は多数の種類があり、組み合わせることによりオリジナル性の高いお部屋を創ることができます。
さらにキッチン戸棚や浴室の壁面・建具等、アクセントを様々な場所に入れることが可能で、水栓だけをデザイン性の高いものへ変える、畳の色や縁だけを変えるなど通常の表装材の費用と大きな差がなく、原状回復に近い予算で着手することが可能です。
原状回復2・0テク2 インテリアデザインの基本を守る
デザインリフォームの定義は特にないので広義ではリノベーションともいえますが、なんでもやればいいという訳ではありません。
例えば色を変えるとしても配色のバランスには黄金比率と言われるものがあり、アクセントカラーの場合は70%がベースカラー、25%をメイン(アソート)カラー、5%をアクセントカラーにするとバランスのとれた配色になります。
面積の広いベースカラーを過度に個性の高いものにしてしまうと入居者の抵抗感が生じるので、壁面の配色などはベースカラーには白系やグレーの無彩色が無難です。
そのほか日当たりの良い部屋であれば奥行感を広く感じさせるために濃い色のものを選び、アクセントに建具の枠を塗装すると前述のバランスに近いものができあがります。
入居者目線でデザインする
人間が得る情報の8割は視覚からといわれており、その視覚に解りやすくアピールする方法としてデザインリフォームが有効です。
私自身の仲介での経験では、特徴のあるお部屋は話題になりやすく記憶にも残りやすいため、選ばれやすくなります。
多様性が認められる時代のなかで賃貸物件の仕様にも少しずつ変化が出てきていますので、時代の変化に合わせた改装も今後ますます増加してくるのではないでしょうか。
もしご興味があれば弊社の施工例等を交えてご提案をさせていただきますので、お気軽にお声掛けください。
管理営業部 マネジメントディレクター
田中 大翼
今年の5月8日に新型コロナの感染症法上の位置づけが5類相当になりました。
この日を期に街へ目を向けると、日本への入国制限の撤廃で多くのインバウンド(訪日外国人)を見かけるようになり、日本人も含め人の往来はコロナ前の様子に戻ってきているように見えます。さまざまなイベントなども増え、私たちの生活が劇的に変化してきたことを感じます。
街を歩く人はマスク無しの方も多くみるようになりました。
しかしながら当社では当面の間、接客中のマスク着用を継続してまいります。
営業店舗においては、さまざまな方々がご来店され、マスク無しの接客に不安を感じられる方もおられると思います。
オーナー様の満室経営のお役に立ち、ご来店されるお客様にご安心いただくためにも、当面は接客中のマスク対応を継続してまいりますので、オーナー様におかれましてはご理解と、ご来店に際してはご安心してお越しいただきますようお願い申し上げます。
弊社では6月にスタッフの定期異動と、今年4月に入社した15名の新卒社員の配属を行いました。新しいメンバーが各営業所、事業所において希望や志をもって勤務してくれると期待しています。
オーナー様には空き部屋の部屋付けと物件の運営維持管理をメインに、みなさまの事業のお役に立てるよう努力してまいります。
「第107号」のご紹介 (2023年4月号から抜粋)
不動産投資基礎23 市況と不動産投資家のタイプをゆるく紹介
時代が大きく変わりました。
昭和の時代は地主など富裕層によるアパート・マンション経営が主流でした。
当時の住宅ローン金利はおよそ5~9%で返済期間も25年前後と、サラリーマンで不動産を所有するのは自宅だけで精一杯でした。
また、富裕層であっても、新築を建てる場合には、まず自己資金を何割か入れて、その土地だけでなく、場合によっては自宅も担保に入れて、ローンを組むという、かなりの与信があってもこのような扱いでした。
サラリーマン投資家の増加
ところが、平成末期~令和にかけて一般のサラリーマンが投資家として賃貸不動産事業に参入してきました。
その手法は多岐にわたります。例えば、ローンそのものを組まないやり方です。古い戸建を現金で購入してDIY(※注1)で改装し、賃貸に出して入居者が付いたら売却します。
これを繰り返して運用する投資家もいれば、アパートローンを利用して最初から一棟アパートやマンションを購入する投資家もいます。
巷では「メガ大家」なんて呼ばれている不動産投資家もいます。
とは言え、不動産投資・不動産事業には当然ながらリスクがあります。
悪徳不動産業者とスルガ銀行が結託して不正融資を行った、いわゆる「スルガスキーム」で大損をした投資家もいます。
「銀行のお墨付きの物件だと思ったら実態は欠陥マンションだった」といった内容で、テレビでもNHKの「クローズアップ現代」やTBSの「報道特集」などで報道されたのでご存じの方も多いと思います。
最近では投資家自らが土地を仕入れて新築を建てるスキームもあります。これを積極的に「指導」している不動産投資家向けの大家塾などもあり、一見すると不動産業者のような投資家も増えてきました。
このように、現在の収益不動産市場は裾野の広い分野になっています。
ライバルたちは不動産投資を「事業」として捉え、時に失敗することもあれば、その後分析と試行錯誤を繰り返しながら、情報を貪欲に収集してきています。
空き家も年々増加傾向
また、全体の市場の話では、総人口及び世帯数の減少に伴い、全国の空き家率は右肩上がりで増える見込みで、「入居者の確保」という椅子取りゲームが過熱していく様相は避けがたいものとなっています。
今後オーナー様がこの市場で戦っていくには、まずは正確かつ最新の情報を得ることが重要です。
グラフ上:空き家率(%/年) 実測値:総務省 住宅土地統計調査 / 予測値:野村総合研究所
今後対話機会も増加で情報の共有を期待
弊社管理部門のレンタックスで管理委託していただいているオーナー様には賃貸最前線の物件担当が定期的にご自宅等に伺って、直近の賃貸事情などを情報共有しています。
その上で短期的な部屋付け対策だけでなく、中長期的な方針を決めていきます。
営業店での取引オーナー様も同様ですが、管理物件のオーナー様と比べ、頻度はやや少なめです。
今年の6月には4年ぶりにオーナーセミナーを開催する予定ですので、奮ってご参加くださいませ。
また、ご依頼があれば個別訪問も実施しております。
空室対策、修繕計画、売買、相続、事業承継など、それぞれ専門スタッフがおりますのでお気軽にお声がけいただけましたら幸甚に存じます。
※注釈1:DIY=自ら何かを作ったり修繕をするいわゆる日曜大工のこと(do it yourself)
売買営業部 課長
藤重 圭
2023年新年の賃貸繁忙期を終えました。
みなさまご所有物件の満室経営に弊社はご協力できておりますでしょうか。
ご満足いただいておりましても、そうでなくても、みなさまのお声をどうぞ弊社スタッフまでお聞かせくださいませ。
さて、政府は2023年5月8日をもって、新型コロナの感染法上の位置づけを季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げることとしました。
このことにより、私たちの暮らしも医療体制や検査の有料化など変化を受けることになります。
またこれに先立ち3月13日からマスク着用を国民の判断にゆだねるとして、このオーナーズ新聞が発刊されるころには街中での景色も変わっていると思われます。
しかしながら、弊社としましては当面「業務中はマスクの着用」を継続してまいります。
仲介営業店での接客時やオーナーさまとの面談時、またすべての部門での社外のみなさまとの面談時にはマスク着用をスタッフにもとめてまいります。
みなさまにおかれましては、堅苦しい対応と思われるかたもいらっしゃると思いますが、しばらくの間、辛抱いただけましたら幸甚です。
あるいは対面での面談にご不安のあるみなさまにも、ご安心して面談いただきますようお願い申し上げます。
社内においては引き続き感染防止に努力してまいりますので、今後とも弊社とのお付き合いをいただきますようお願い申し上げます。
「第106号」のご紹介 (2023年1月号から抜粋)
「宅配ボックス・導入するとアドバンテージ高い?」
宅配BOXは近年新築マンションで単身・ファミリーを問わずほぼ完備されてきました。
テナントリテンションを目指す既存物件にも波及が進みます。この設備の効果や数値など調査結果を紹介します。
今回特集する宅配BOXは本紙でも定期的に取り上げています。これは2つの要因があり、まずはニーズの増加と、もう一つは費用対効果の高さです。物件の価値向上でみると室内や外壁リノベーションなどに比べると安価で導入できます。
宅配BOXの設置は戸数によって最適なサイズがある程度定まっており、費用の差は、エントランス内に設置の一般タイプか、屋外に設置する防水・防滴タイプなどです。
右表の調査結果を見ると、物件検索をした際、「宅配BOX」にチェックすると物件数はかなり絞られるので、まだまだ普及の余地がありそうです。
※宅配BOX・電源を伸ばせば屋外どこでも設置可能な防滴スリムタイプも有り(写真下)
調査によると「家賃が上がっても欲しい設備:注1」では1位の24時間ゴミ出し可能に次いで2位、「次に引っ越すときに欲しい設備:注2」では1位の省エネ機器に次いで2位といった人気ぶりです。
さらにコロナ禍で非接触というキーワードも追い風となり、それ以外にも女性がドアを開けて荷物を受け取らなくてもよいという、防犯面の向上にも寄与しています。
このように費用対効果とテナントリテンション効果が期待できますので、是非当社スタッフへお声がけください。
注釈1:全国賃貸住宅新聞2021ー10
注釈2:リクルート2017
開発営業部 マネジメントディレクター
與田 伸也
新年のご挨拶 2023年1月号
新型コロナウイルスのパンデミックが発生してから4年目が始まりました。まだ私たちは完全にコロナを制圧できたとは言えません。
しかし世界は経済を停滞させまいとして、コロナがすでに終わった社会現象のように扱っていますし、私たち自身も「そろそろ終わりにしませんか」という気持ちになっています。
コロナ以外にも、ロシア・ウクライナの戦争が昨年はじまり、国家間の紛争を外交でなく武力で解決しようとしています。安全保障問題では、私たちが住む日本のすぐそばで、米中対立のために台湾の主権が中国によって侵害される可能性が現実として迫っています。
さらに昨年は円安が大きく進行して一時的に1ドル150円を超える事態になりました。コメ以外ほとんどすべての資源を海外に依存している日本では物価が上昇し、生活を苦しめています。
私たちをとりまく環境は、ひとつが解決あるいは軽減しても、別の危機が訪れます。平穏な期間は常にないと思っているほうがいいのかもしれません。
2023年、当社は「簡単には折れない」をテーマに掲げて進んでまいります。
人は、なにかの困難なことに直面し、それを乗り越えることができても、さまざまな困難なことが波状攻撃のように幾度も発生すると、忍耐の限界が訪れたように感じて、「折れそうになる」と容易にギブアップを宣言したくなります。
しかしその本音は「折れそうだと弱音を言いたくなるほどの状況だが、そう簡単には折れない。」ではないかと思うのです。もちろんひとりでは解決できない困難も多いでしょう。
聖書のことばに「神は乗り越えられる試練しかあなたに与えない」というものがあります。
すなわち、「私たちに起こる困難に対して、すでに解決することのできる能力も技術も協力者も持っている。だから神様はこの課題を私に与え、そして私はこの課題を克服する。」という考え方なのではないかと理解しています。
迎えた2023年がどんなに厳しいものだとしても、幸いオーナーさまのまわりにも私たちにも、解決することができる能力・技術・仲間がいます。
2023年は、みなさまにもし困難があっても共に力を合わせて乗り越え、困難を克服したからこそ今があると、笑って過ごせるような年になることをお祈りして、年頭の挨拶とさせていただきます。
2023年1月吉日
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